「反骨のコツ」著者:團藤 重光、伊東 乾
刑法に全然関わってない人向け、色々な人に読んでほしい。
えーと、反骨のコツが書いてあるわけでは無い! もーまったく、タイトルがもったいない! もうちょっと一般受けするタイトルをつければいいのに!
GHQ時代に刑法の草案を創り、大阪航空騒音訴訟で住民側に立った意見書を出した團藤さんと、音楽先生の伊東さんとの刑法や死刑という刑についての対談。
音楽の先生がナゼに刑法の対談を?と思うが、
伊東さんは、オウム信者で死刑判決を受けた同級生を持ち、マインドコントロールされた者も極刑を受けるのはいかがなものか?と裁判所にかけあって、本まで書いた経歴を持つ。
さて、
自分の身内が殺されたら、死刑を望むかもしれないが、そこは一旦置いておいて、
「死とは肉体からの解放」とか、「生きている方が地獄である」とするならば、死刑とは果たして極刑足りえるのか?
「殺すという犯罪を犯してしまって、死んでお詫びします」までわからせた上での刑なら、いや、もっとその先「殺すという犯罪を犯してしまって、死んでお詫びしたいが、生きて償いたい」ぐらいまでわからせた上での刑なら、納得できるけど(いや、納得できないけど)、どうなんでしょう。
死刑がある国は「人を矯正する教育が無いほどアホな国です」と思っていたが、佐藤優さんもそんな結論を出しているそうだ。
しかし、刑法って身近に無さ過ぎる!
また、選挙で最高裁判官の投票がついてるけど、何も情報がないから判断できない。
政治家はマニュフェストとか、当選後の公約とかあるから、ちょっとは投票できるけど、裁判官の何か情報出さないもんかね?
(探せばあるのかもしれんけど。)
そんなわけで、この本を読んで刑法や死刑という刑について考えてみてはいかがでしょうか?
他、
團藤さんは昭和天皇とも私的に交流があり、昭和天皇は軍人全般、並びに、東条英機氏も嫌っていたそうだ。
側近の人が書いた回顧録では「東条氏を信頼していた」なんてあるが、あれれ?
側近の方との交流は公的だったって事か、信頼できる人物では無いと見抜いたのか。
(まあ、回顧録が世に出回るぐらいだから、情報を漏洩しそうな奴と思ったのかしら?)
その他、團藤さんの教え子に三島由紀夫さんもおり、三島由紀夫さんの思い出も語られています。
生きた歴史ってこういう事かー!とワクワクします。