ミケハのブログ

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「翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった」著者:金原 瑞人

エッセイと、江國香織さんとの対談、古橋秀之さんと秋山瑞人さんとの3人対談。
エッセイは、良いモノを選んでまとめたモノらしい。
古橋さんと秋山さんは、かつての教え子たちだそうだ。


翻訳者の裏話って、あんまり聞けないので面白く読めた。
(村上春樹さんも翻訳の仕事について、何か書いてたな~。)


翻訳本のレビューで「翻訳いまいち、原作を読むべき」なんてのがある。
著者さんからすると、これは当たり前の話で、翻訳者のフィルターが入るから。


例えば、小説がドラマ化されたり、マンガがアニメかされた時、
「この人物は、この俳優じゃないだろ~」とか「このキャラクターは、この声では無いでしょ~」と思うのと一緒ってことやね。


また、英語では一人称が「I(アイ)」だが、これが男なのか、女なのか判断に困る原作があるそうだ。


翻訳の仕事についての給料事情なんかも書いてあり、他に主な収入源があった状態で無いと、とてもじゃないと出来ない仕事らしい。


てなところで。

「ハーバード白熱日本史教室(新潮新書)」著者:北川 智子

白熱教室の本のような対話形式の授業本だと思うとがっかりする。
というか、白熱教室なんて付けなくても充分面白い内容で、流行にのったタイトルにしなくても良いのにな~、ともったいない感じ。


この著者さん、バリバリの理系女子だったのに、ハーバード大学で日本史の先生になってしまう。その転身が面白い。
そして、アメリカの大学の柔軟性がスゴイ。日本の大学なら、ずっと日本史をやってる人しか取らないのでは?


さて、
本の内容は、著者さんの回顧録、日本史の授業風景と内容の紹介、ハーバード大学ならではの生徒による先生の評価など。


そもそも著者さんが日本史の先生になったのは、ハーバード大学の単発授業で日本史を習った時、男のサムライ達しか紹介されていなかった事にひっかかって、女性が活躍する日本史を提案したからである。
そういえば、日本のサル研究で、女性研究者が参入しなければサルの社会形態が解明できなかった事例を思い出す。
女性の研究者、大事!


女性が活躍する日本史として、豊臣秀吉の本妻ねねが紹介されており、ねねの役割が重要なのがわかる。
というか、ねねがここまで活躍していたなんて全然知らなかった。


そして授業の紹介、こんな授業があったら私も受けてみたい!し、一生心に残るような授業になりそう。
日本でも、こんな先生が居ればな~。
ビジネスのプレゼンの参考にもなる?!かも。


そんなところで。

「エクソシストとの対話(講談社文庫)」著者:島村 菜津

現代に生きているエクソシストとその関連した人達へのインタビューを収めた本。


エクソシストと言えば、
D.Gray-manという週刊少年ジャンプで連載されているエクソシストとアクマの戦いを描いたマンガがありましたな~。
あっ、「青の祓魔師」もあったね~。
いや、特にこれといってないですけど。


他では、
保江邦夫さんが講演で言っていたエクソシスト像は、
「タバコを吸う、酒を飲む、女を買う、でっぷり太ってる、破戒僧みたいなのがエクソシスト。
悪魔の誘惑に負けないように、心を鍛えるためにやっている。
そして、三日三晩寝ずに悪魔払いをした後は、ゲッソリ痩せてでてくる。」
なんて言っていた。


そうなると、さぞやすごい破戒僧みたいな人達がエクソシストとして出てくるのだろう、と期待していたら、ちゃんとした人達でした。
というか、聖人になれるぐらいの戒律もしっかり守っている人々。


悪魔憑きって、現代にどれくらい居るの? 
というと、少ない数値だと1000人中4人ぐらい。996人は精神的な病である。
なので、今のエクソシストは精神科医と親密に連携を取っている。


自分にも悪魔が憑いているかも、という条件は以下。
・薬が効かない。精神薬が全然効かないとか。
・魔に関わった。交霊術(こっくりさんなど)をやった。呪いにかけられたなど。
・協会に近づくと体に異変がある。吐き気がする、体が震える。


昔は司祭クラスが、平気で奇跡を起こせていた。
病気を治す、悪魔を祓うなど。
しかし、そうなると、新しい宗派を起こされて独立してしまうので制限を付けた。
認定されたエクソシストしか、事を行ってはいかけない、と。


エクソシストの唱える言葉と日本の調伏の仕方は、だいたい似ていた。
悪霊を説得する。


他、全然違う話だが、三峯神社に行けた時点で悪霊は払われている。
本当に強力に憑かれていると、三峯神社に行けない。そもそも行く気すら起きないとの事。


そんなところで。

「えほんのせかい こどものせかい(文春文庫)」著者:松岡 享子

子供の絵本を読み聞かせたい人、絵本作家になりたい人、必読!
子供の世界は大人が考えているようなモノと異なると、つくづくわかりました。


本の前半は、長年の子供への読み聞かせや、お母さん方から読み聞かせについて聞いた話についてなどのエッセイ。
後半は、絵本の読み聞かせ方法や、子供のグループへの読み聞かせについての指南。
後半は関係無い人でも、前半のエッセイが暖かくて素敵です。


>絵本の表現でへぇーと思った解説。
例えば、
トラが出て来て、森一番に恐れられている事を表現したいとき、
「トラが出てくると、森のみんなはいちもくさんに隠れてしまいました」という表現の方が子供に響く。


これを「トラは森で一番おそれられていました」や、トラ自身が「おれは一番に恐れられてるぞー」なんてセリフを言わせるのは、子供に響かない。
あー、あるある、NHKでたまに見る子供の絵本の読み聞かせ番組に、動物自身がセリフで自分を説明しちゃうヤツ。
著者さんが長年の読み聞かせで、子供の反応でわかったんだろうな~。

「世につまらない本はない(朝日文庫)」著者:養老 孟司

前半は、本に関連したエッセイ、後半は、3人(養老さん、池田 清彦さん、吉岡 忍さん)によるテーマ毎に沿った本の紹介や、よもやま話。


エッセイでは、
・本は、普通では無い事が書かれているので、本屋に行くと精神科医の待合室の様に思う。
・本に書かれている事と、その著者が書いていない事を見ていくのが面白い。
そうだ。でも、つまらない本はつまらないんですけどー。


他、
漢字のルビは、マンガにおけるセリフと同じである。
人が泣いている場面に「うれしい!」なのか、「悲しい」なのかのセリフを付けるのと、
親という感じに「おや」なのか、「しん」なのかルビを振るのが、構造として同じだと。


「南瓜」と書いてカボチャと読むなんて、外国人からしてみたら「わけがわからない!」と言われそうだ。


そういえば養老さんが先生だった時、「なんでこんな事を疑問に思わないんだ!」と言ったところ、「そういう風だと思ってました」と生徒から答えが返ってきて、あきれた話が他の本であった。
しかし、上記にある通り、日本語自体に「「南瓜」はカボチャと読め」みたいな「そういう風だと思ってました」と結論を出させるシステムを持っているのではないか?と私の頭の中に浮かんできた。
どう?


他、色んな本が紹介されたので、読みたい本がいっぱい出てきました。困るわ~。