ミケハのブログ

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「河合隼雄を読む」著者:多数

一人一冊、河合さんが出した本の批評をする。
批評する方、本そっちのけで河合さんとの思いでを語る方(だいたいそう)、河合さんを褒める方など、通り一辺倒にならずに面白い。
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「白洲さんが救われた話」
白洲正子さんが子供の頃、乳母の方がおられた。
乳母の方が闇市で一生懸命イースト菌を探し、買ってきて、パンを焼くのが日課だった。
しかし、乳母の方が急死する。


その時、白洲さんは「ああ、パンが食べられなくなる。」と思ったそうで、
十数年間、付き合っていた乳母が亡くなったというのに、私はなんて薄情なのだろう!とショックを受けた。
これが罪の意識としてあった。


ある日、河合さんが新聞で、コラムみたいなモノを書いており、
「すごいショックを受けると、心がそれを回避するため、つまらない事や、ささいな事にこだわる場合がある。」
との記事を読んで、白洲さんは救われたそうだ。
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「ハヤヲは恐い」
河合隼雄さんのお兄さんの話も本に載っており、レアです。
お兄さん談によると、河合隼雄さんは子供の頃から、お母さんや先生などに本質を付く事を言うので、
母から「ハヤヲは恐い」、先生からは嫌われていたそうだ。


やっぱり、そんな才能があるのねぇ~。

「人生は生きがいを探す旅 神谷美恵子の言葉」著者:昭和人物研究会

神谷美恵子さんの言葉を集めた本。
右ページに美恵子さんの言葉や日記の断片、左ページに解説。
上記のような作りなので読み易いんだが、淡々としていて一気に読むと飽きてくる。
これは、日替わりでちょっとづつ読むとか、ヒマな時に好きなページを読む、とかが正解なんだろうな~。
また、この話、もっと詳細に知りたい、この続きは?など思っても、解説が必ず左の1ページだけなので、ページをめくると全然違う話になってしまう。
なんだか強制的にチャンネルを変えられたようなフラストレーションが貯まる。


これ「美恵子さんの言葉を身近に置いておきたい!」というファン本なのかな~。


後、タイトル「人生は生きがいを探す旅」とあるが、タイトルになるほど美恵子さんって「生きがい」を探してたか?
やりたい事、生きがいは見つけていたが、それをすぐにできない「もどかしさ」がある気がする。


しかし! タイトルや本の作りがどうであれ、美恵子さんは素晴らしい方です。
ぜひ、伝記が読みたい!
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うろ覚え、心に残ったこと。
「人格を完成させる材料は既にあなたの中にあります。素晴らしい材料を持っています。」


全然違うかもしれないが、こんな妄想を広げてみた。
料理名:カレーならぬ、料理名:ミケハは既に出来ている。
そこで、2~3日寝かせれば、美味しくなるかもしれない。
ワインであれば寝かせた年代分高くなるし、梅干しなんかも40年漬けたモノとかある。
フグの内臓を3年間塩漬けし、毒を抜く郷土料理もある。
だが、寝かせるとマズくなる料理もある。
私はどんな料理だろう?
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さて、上の方で文句たれてますが、他にもいろいろと良い言葉がてんこもりですヨ。

「縦糸横糸」著者:河合 隼雄

98年頃(?かな)のニュースになったような事件などに対して、河合さんが思ったことを書いたエッセイ。


扱われるのは、
中学生のナイフ事件、援助交際、汚職事件、アメリカの学校での銃乱射事件など。
ああ、そういえば、そんな事件もあったな~、と。


どれも解決できるような問題では無いため、読後は爽やかとは言えません。
しかし、河合さんだからこその考えなどが読めて面白い。


以下、心に残った事。
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「アメリカの学校での銃乱射事件での影のヒーロー」
アメリカの学校で銃乱射事件が起こり、そこでケアを行っていたスクールカウンセラーと河合さんが話をする機会があったそうだ。
学校に銃を持った犯人が、人を殺しまわっていた時、あまりのことで固まってしまった学生を押したり、手を引いたりして安全地帯に行かせ、鍵をかけたりして、学生を救った用務員さんがいたそうだ。


河合さんとしては、その用務員さんは、年配の方かと思ったら、「知恵遅れの青年」だったそうだ。
危機の時に、固まってしまう頭の良い学生と、ちゃんと危機回避する(しかも人助けまで出来る)青年。
教育としては、どうなのか?と疑問を投げかける。
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「政治家、官僚の汚職事件について」
河合さんが外国の方に言われた事から、検討が始まる。


外国の方が日本に来た時、財布を落としてしまった。しかも、高額が入っていた。
もちろん、諦めていたわけだが、交番に届けられており、中身もそのまま、手元に戻ってきた。
他の方も、高級カメラを置き忘れたが、無事戻ってきた。


そこから、外国の方が河合さんに質問する。
「日本人は倫理観がとてもあるが、政治家や官僚が汚職などで倫理観が無いのはどうしてか?」


河合さんが考える。
倫理観が無い者が一部いるとか、倫理観が無い者が政治家や官僚になるという訳で無い。
これは「役得」ではないだろうか、と。


これ、大いに納得した!
(個人の妄想です。)
バカにしている有権者に頭を下げまくり、金もバラまき、やっと一人前の政治家になれた。
「あの不遇だった時代を取り戻すぞ。これから黄金期だ」視察と称して無料で外国に行き、前任者もやっていた汚職も行い、これぞ「役得」である。
これじゃ、汚職や公費の使いまくり、無くなりませんわな~。
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さて、今も同じ様な、似たような事件が起きてて、どうすればいいのかね~。

「なぜヤギは、車好きなのか?」著者:小林 朋道

おススメ。
大学でのヤギ飼育で、いくつかのエピソードをエッセイにした本。
本の題名は、その中のちょっとしたエピソードの一つ。なので、本の題名を深く掘り下げる研究書では無いので、安心して読めますヨ~。
文庫化にあたり、エピソード2編がリニューアルされているとの事。


ヤギ、可愛いな~。


ヤギは、子供の頃はついてきたりするが、大人になるとついて来ないそうだ。
集団で狩りをするわけでは無いので、グループと離れても、草があれば良いのである。
むしろ離れていた方が、食い物が個体ごとに確保される。


内容は、
ヤギのコミュニケーション方法。
どこからヤギが脱走しているのか?謎を追え。
雪で心細くなったヤギの行動。
発泡スチロールでヤギの姿を作ったら、ヤギはどんな行動をするか?
などなど。


ヤギの飼育エピソードや、実験エピソードなど面白いです。
泣けるエピソードもあります。

「だいじょうぶ」著者:鎌田 實、水谷 修

2009年出版。
写真の表紙から「政治評論家のお二人かしら?」と思ったら、病院の先生と夜回り先生でした。
お二人の往復書簡から、最後に対談する本。


2009年、お二人が感じ、関わってきた日本の教育、医療と青年の現状。
引き込まれて一気に読んじまった。
往復書簡で何回も泣けます。


読んでいて THE BLUE HEARTSの「TRAIN-TRAIN」の歌詞を思い出した。
(歌詞抜粋)

弱いもの達が夕暮れ さらに弱いものをたたく

見えない自由が欲しくて
見えない銃で撃ちまくる
本当の声を聞かせておくれよ

此処は天国じゃないんだ かといって地獄でもない
良い奴ばかりじゃないけど 悪い奴ばかりでもない

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本出版から9年経っているが、本で問題とされていた事は、もっとひどくなっている。
タイトルの逆で、全然だいじょうぶでは無い。
けど、お二人とも痛いほど、だいじょうぶでは無いのがわかっていると思うが、お二人が関わってきた若者達に希望がある。


ちゃんとした政治家に投票する。
そして、ボランティア、地域に貢献、何か出来る事があればしよう。
心に火をつける本です。うぃ