ミケハのブログ

日常の事など覚書。

★募集中★

サイドバー[カテゴリー・タグ]より、
ガイド拝見→[募集]ガイド拝見

「孤独病」著者:片田 珠美&「信じぬ者は救われる」著者:香山 リカ、菊池 誠

※とりあえず、個人解釈入ってます。
信じぬ者は救われる。
と言われましても、信じてしまう人、わかっちゃいるけど信じたい人達(私も含める)がいる。
何かを信じる背景には、心に余裕が無いというのがあるのかな~。
時間はたくさんあるのにね。
で、そこらへん含めて「孤独病」が根本にあるようだ。


現在、人々は原始的防衛の中の一つの状態にある人が多いらしい。
その一つの状態というのが、ゼロかイチ、「すごい好き」か「すごい嫌い」、上機嫌になったと思ったら、すぐに不機嫌になるような、真ん中が無い断絶感。


何で、このような状態の人達が多いのか?
核家族、終身雇用が無くなり個人成果となった会社&社会、隣が何をしているかわからない地域などなど、西洋的自立が出来ていない日本で、個人に対するプレッシャーが大変大きくなった。
そのプレッシャーゆえ、原始的防衛で「良いものは盲目的に崇拝」「悪いものは無くなるまで叩く」と極端な感じになっている。(ここらへん個人的解釈)
うーむ。


どちらの本をおススメするかと言えば「孤独病」の方をおススメします。


>「孤独病 寂しい日本人の正体(集英社新書)」著者:片田 珠美
精神科医さんが現代の日本人像にせまる?
上で書いたので、これぐらいかな。


>「信じぬ者は救われる」著者:香山 リカ、菊池 誠
肩書が付いてる人達は「メディアだから、こんなもんですよ」と言って、平気で嘘をついているらしい。
他、商業で話題になる科学的な本も、実は裏付けが無くて嘘らしい。
ここら辺の情報って、その時その時で知りたいけれど、科学者は「そんなヒマは無い」との事。
商業誌で「こうすればモテる」なんて情報も根拠は無く、香山さん的には「うしろめたい」そうです。
ふーん。

「神話の心理学」著者:河合 隼雄

世界の神話にある父性の強い男神、殺し(子/父/母)、盗みなど、人間の深い部分にあるからこそ、神話という物語になっているという話。
神話の読み方は人それぞれにあるので、「私はこう読みました」という一例だそうですヨ。


父、母殺しは、象徴的に行われれば良いが、実際に行動になってしまうと問題となる。
そこらへんを物語に託せれば良いのだが、さて、どうやって託すのん?


>太陽について
太陽は、外国では父、男の神が多いが、日本では女神である。
そいう言われてみれば、そうだった!
その国の神話をもとに、その国の人達の心理を考えてみると面白そう。


>聖書のへぇ~
聖書では、世界創造した神が「知恵の実」を食べてはダメだ。という有名なくだりがある。
ある宗派では、この神様、神々の中で最低ランクの神で、蛇はそれを見抜いていたから神の怒りをかった、という教えもあるそうだ。
そうそう、神様なのに、わざわざ人間を「知恵の実」という堕落させるような罠をはるか?という疑問が、「神々の中で最低ランクだから、しょうがない」って、この説明では思えるわな~。
いや、でもそれで原罪を背負わされても・・・。


>外国から見た日本
外国では、「母から自立していない日本」と言われているそうだ。確かに。
で、河合さんとしては、西洋の自立の方向に行くのではなく、日本独自の何かが生み出せれば良いな~と。


てな所で。

「こころの声を聴く 河合隼雄対話集(新潮文庫)」著者:河合 隼雄

河合さんが本を読んで、その著者の方々と対談する本。
多数の著者さんと対談してます。


初めに挙げられている本を読んでから、対談を読んだ方がハルカに楽しめる。
私は、ついつい対談が面白くて、著者さん達の本を読まずに対談を読んじまった。
それでも楽しめます。(で、次に読むリストが多大に増えたわけだ。)


印象に残った言葉。
・強い人は、それなりの出世をして、それなりの生き方をして棺に入るんでイイんです。


今は長生きするようになったが、「ふたつ良い事、さてないものよ」、思春期の後に、もう一つの思春期みたいな状態が来る人が多くなった。(次の思春期を、河合さんは「思秋期」と言ったりしている。)


そこで、思ったが、実は60代ぐらいでも思春期みたいのがあるんでないかい?
これは、会社を定年退職した人達が思い悩む時期である。熟年離婚とかね。
この思春期は、思冬期と名付けよう。


思春期:10代~20代(長い人では、35歳ぐらいまであるらしいヨ。)
思秋期:40代~50代
思冬期;60代~70代


で、今は生き方が目まぐるしく変化するので、「ゴールとなるモデル」や「これさえやっとけば良いというような価値観」が無くなってしまった。
昔のように、上の世代がモデルを示せれば良いのだが、そんな事、今の時代じゃ、できませんわな~。


また、昔は、「農家の人は農家の人でエライ、大工さんは大工さんでエライ」「俺は、これさえやっていれば幸せだ!」と別々の住み分けみたいなもので仕切られていたが、お金の出現でどんな仕事も収入というモノサシで測れるようになってしまった。
これ、時間も同じだそうで、「お金と時間」が全てを統一してしまった悲劇、だそうです。
「隣の芝生は青くみえる。」、短時間で儲けてしまう人を見ると、そりゃ仕事やる気無くすわな~。でも、「私はこの仕事で生活します。」と自信を持てる所まで行ければ良いのかな。


いろいろ考えさせられます。

「物語を生きる」著者:河合 隼雄

日本の古典の物語を紹介し、臨床心理にもとづいたちょっとした解説をした本。
ちょっと、難しかった。理解できていないところも多数。


扱っている物語は以下。
竹取物語、宇津保物語、落窪物語、平中物語、源氏物語、浜松中納言物語、我身にたどる姫君など。


この本の中で河合さんがドナルド・キーンさんの言葉を下記のように紹介している。
「日本の古典は実に面白いのに、学校で教えるときに、文法の方に力点がかかりすぎて、文学としての興味を無視してしまうような教え方が多く、そのために古典を嫌いになる人が増えて残念である。」
「どんどん現代語訳を読ませて、関心を持たせた上で原文に接するようにしてはどうか?」


確かに!
色々な物語の紹介がなされたが、どれも面白い!


印象に残ったのは、平中物語。
平安時代の恋のフミ(歌)のやりとりが納められている本。
隠喩、2重の意味など、現代のラップや落語のような技が光っている。
ツイッターやラインでここまでの文のやりとりが出来たら、かなり文化レベルがあがるのでは?
まあ、簡素化、超概要化に加速がかかるのは目に見えているが・・・


というわけで、
日本人の無意識の底に流れているだろう古典を知らないのはもったいなさすぎる。
とりあえず、現代誤訳と解説付きのやつからお願いします。

「こころと脳の対話(新潮文庫)」著者:河合 隼雄、茂木 健一郎

河合さんと茂木さんの対談。
というよりか、ちょいちょい茂木さんの公開カウンセリング、または、アイデア相談みたいな感じになって、そこらへんが面白い。


河合さんが一言返すと、茂木さんの中で感じる&思う所があり、「なるほど」「そういうことですね」「じゃあ、今度これしましょう」などなどアイデアが広がっていく。
「1を聞いて、10を知る」ならぬ「1を聞いて、10に展開される」と言った感じ。
想像を喚起させる河合さんもスゴイし、アイデアがどんどん出てくる茂木さんもスゴイ。


印象に残ったところ。
・河合さんがタクシーに乗ると、運転手さんの話が止まらなくなり、話に夢中になるので曲がるところを間違え、延々と身の上話をされる。
・河合さんが美人クライアントに言われた賛辞の一言(ここで明かすのは、もったないので、読んでみて。)


他、
科学では、手の震えとか、抑うつとかを頭に電気を流して治る事があるそうだ。
(抑うつの場合、11例中8例との事。)


思い出すのが、
別の本(本は忘れた)で、ザリガニのオスが、メスの取り合い(ナワバリ争いかも?)をする。
負けたザリガニは、一定期間、争う気を無くす。
その争う気を無くしたザリガニを、調べてみると抑うつと同じ状態だった。
なので、ここに抗うつ剤を与えると、ザリガニの争う気が復活する。
その本では、自然界でこういうメカニズムを持っているという事は、「うつ」に何か意味があるのでは?と書いていた。


関連して、以前、テレビや本で紹介されていた「うつ」の2つの論文。仮説かな?
(素人憶えなので、興味のある方は裏を取って)


・1つ目:「うつ」はグループが生き残るための戦略説。
例えば、村全体が全滅しそうなほどの何かに当たった場合、誰か一人が逃げる。
村全滅時でも、逃げ出した者が生き残れる。


・2つ目:「うつ」は伝染病対策説。
人に会いたくない。また「うつ」時は、ちょっとのことでも炎症が起こるらしい。
炎症が悪いかと思いきや、炎症により、すぐ治るらしい。
そういうことで、伝染病にかからないようにしている。


てなところで、途中から、ぜんぜん関係無くなっちゃたよ!


さて、
文庫本の解説で、河合隼雄さんの息子さんが解説していたが、この対談で出てきた数々のアイデア、息子さんが引き継いで、ぜひやってほしいデス!